和豚もちぶた 黄金のレシピ スライス肉・豚コマ肉活用術 スペシャル酢豚

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黄金のレシピ スペシャル酢豚

厳しい寒さもひと段落。時折ぽかぽか陽気も訪れるようになった3月中旬。暖かさに誘われるように、料理研究家・臼居芳美先生のお宅を訪れました。
今回ご紹介するのは「酢豚」。言わずと知れた中華料理の定番メニューですが、黄金のレシピでは案外ご紹介することが少なかった「揚げ」の調理法をまじえたレシピです。

目次


人気の中華・酢豚をさらに美味しく!スライス肉で作るふたつの本格酢豚

広東料理としてもメジャーな中華料理メニュー「酢豚」。中国では野菜などは入れず豚肉だけで供されることが多いとか。

広東料理としてもメジャーな中華料理メニュー「酢豚」。中国では野菜などは入れず豚肉だけで供されることが多いとか。お味のバリエーションは、ピーマン・人参など野菜入りのおなじみ酢豚と、豚肉だけで仕上げる本格中華・黒酢バージョンの2種をご紹介します。

通常は角切り肉などを使うことの多い酢豚ですが、今回用意したのは和豚もちぶたの「バラスライス」。

通常は角切り肉などを使うことの多い酢豚ですが、今回用意したのは和豚もちぶたの「バラスライス」。
お求めやすく使いやすいスライス肉や豚コマ肉を使って本格メニューは作れませんか?というわがままなリクエストに先生が考えてくれたベスト・ソリューションです。

今日も、キッチンのテーブルにはすでに色鮮やかな野菜と和豚もちぶた・たくさんの調味料がスタンバイ済み。

今日も、キッチンのテーブルにはすでに色鮮やかな野菜と和豚もちぶた・たくさんの調味料がスタンバイ済み。

今回使う調味料には、お肉の下味用と甘酢餡用とがあります。

今回使う調味料には、お肉の下味用と甘酢餡用とがあります。
とくに入手しづらい調味料はないのですが、ポイントとなるものをいくつかご紹介します。

甘酸っぱさが魅力の酢豚。余裕があればぜひお酢にこだわってみてください。

お酢

甘酸っぱさが魅力の酢豚。余裕があればぜひお酢にこだわってみてください。
一言にお酢といってもその特徴と用途は種類によってさまざま。
寿司めしや酢の物など和風のすっきりとした酸味なら「米酢」、洋風の酸味を出したいなら「ワインビネガー」、サラダのドレッシングなどにはさっぱりとフルーティーな「リンゴ酢」がよくあいます。
そして中華独特の風味を出したいならもちろん「黒酢」。
今回はすっきりとした酸味の「米酢」とコクと甘みがある「黒酢」を使いわけます。

中華ならではの深い風味を出すには、紹興酒(または老酒)が欠かせません。

紹興酒

中華ならではの深い風味を出すには、紹興酒(または老酒)が欠かせません。紹興酒は、もち米・小麦で作った麹などを熟成させ、カラメルで香味や色味を加えて仕上げるもの。是非飲んでもおいしい上質なものを使いたいところです。

中華らしさのエッセンスのひとつ、ごま油も大切なこだわりポイントです。

ごま油

中華らしさのエッセンスのひとつ、ごま油も大切なこだわりポイントです。最近では様々な種類が店頭に並んでいるので、ぜひ自分だけの銘柄を見つけてみて下さいね。

先生が使っているのは、ありそうでなかった小さなヘラ(シリコン製)

ということで、さっそく調理スタート!
まずはスライス肉に下味をつけて成形していきます。
①スライス肉を一枚一枚ばらしたら、下味用の調味料(すりおろしたにんにく・生姜、しょうゆ・紹興酒・砂糖・ごま油・塩コショウ)、片栗粉を絡めてよく混ぜます。
(この時点ですでに香りが中華!)

先生ご愛用グッズ「シリコン製のヘラ」

先生が使っているのは、ありそうでなかった小さなヘラ(シリコン製)。
少量の調味料を扱う時にとても便利!

スライス肉1枚を手のひらで丸め、最後は肉の端で巻くようにして、一口大の固まりをつくります。

スライス肉1枚を手のひらで丸め、最後は肉の端で巻くようにして、一口大の固まりをつくります。片栗粉が入っているのであまり崩れることはありません。あまりきつく巻かなくても大丈夫ですよ^^

すべてのスライス肉をまとめ終わったら、180度の油に投入。

すべてのスライス肉をまとめ終わったら、180度の油に投入。表面がカリッとするまで揚げ、油を切っておきます。

作り置きしてみよう!

お徳用の大きなパックや特売品など、まとめ買いしやすいスライス肉や豚コマ肉。せっかくならたくさん作って冷凍しておきたいところですね。
ただし加熱前に冷凍してしまうと、凍って固まりになったり、調理する時に水っぽくなり風味が落ちてしまいます。
冷凍保存しておきたいときは、揚げるところまで完了させ、油を切って冷ましてから保存用ポリ袋などで冷凍するようにしましょう。


多彩な調味料と具材の風味が一体に酢豚を仕上げる

お肉が香ばしく揚がったところで、つづいては野菜と甘酢餡の準備へ。

お肉が香ばしく揚がったところで、つづいては野菜と甘酢餡の準備へ。中華鍋でお肉を揚げた場合は、揚げ油と揚げかすだけ取り除いてそのまま中華鍋を使用しても大丈夫♪

彩りよく仕上げたいので、ピーマンのほかに赤・黄のパプリカも入れます。

彩りよく仕上げたいので、ピーマンのほかに赤・黄のパプリカも入れます。野菜やしいたけは一口大の削ぎ切りにします。人参はあらかじめ下ゆでしておきましょう。

今回先生が用意してくれたしいたけは、宇都宮産の原木しいたけ。

今回先生が用意してくれたしいたけは、宇都宮産の原木しいたけ。木から生えるのでイシヅキの部分が太くしっかりしているのが特徴。
そして超・肉厚の断面は圧巻です!!

パプリカやピーマンの切り方

パプリカやピーマンの切り方

ピーマンやパプリカを切るとき、まず最初に縦半分に切ってしまうと、そこで種を取り出さなくてはなりません。細かい種がまな板に散らかったりして意外と面倒。最初からヘタ・種の周囲をさけて縦に包丁を入れて切り分けていけば、最後にヘタと種が残ります。お手軽で合理的な切り方ですね^^

玉ねぎ・しいたけを軽く炒めたら、パプリカ・ピーマン・にんじんを加えてさらに炒め、具材全体に火を通します。

玉ねぎ・しいたけを軽く炒めたら、パプリカ・ピーマン・にんじんを加えてさらに炒め、具材全体に火を通します。

ひとつひとつの調味料をあらかじめ計って準備しておきましょう。

中華料理の加熱調理は、極力スピーディーにすすめたいところ。ですが調味料が多い場合、味付けに手間取っているうちに風味が落ちてしまいます。
鮮やかな手さばきの中華の鉄人はさておき(笑)、私たちが調理する場合は、ひとつひとつの調味料をあらかじめ計って準備しておきましょう。片栗粉にも水をいれ、直前に混ぜるだけにしておきます。

調味料を冷たいまま加えない

片栗粉以外の甘酢餡用調味料は、あらかじめボールなどで混ぜ、電子レンジで1~2分程度温めておきましょう。
砂糖や塩などを溶かすという理由もありますが、このひと手間で、具材の温度が急に下がり水っぽくなってしまうのを防いでくれるのです。

炒めた具材に先ほど揚げたお肉を投入したら、甘酢餡用の調味料をかけて具材に絡ませます。

炒めた具材に先ほど揚げたお肉を投入したら、甘酢餡用の調味料をかけて具材に絡ませます。水溶き片栗粉を加えたら強火でよく混ぜ、とろみをつけていきます。

水溶き片栗粉の加えかた

具材に水溶き片栗粉を回しかけると、ダマになってしまうことがあるので注意しましょう。汁気がある場合、いったん具材をよけた汁だけのところに水溶き片栗粉を投入し、その後全体に絡ませていくとダマになりにくいとのこと。ぜひお試しくださいね!

つづいて、具材の入らないお肉だけの酢豚も作っていきます。こちらは甘酢餡の「米酢」を「黒酢」に変えるだけ

つづいて、具材の入らないお肉だけの酢豚も作っていきます。こちらは甘酢餡の「米酢」を「黒酢」に変えるだけ、その他の調味料は同じです。
炒める具材がないので、甘酢用の調味料だけをフライパンへ投入。水溶き片栗粉を入れて、強火でとろみをつけます。

トロトロの甘酢餡に揚げたお肉たちを投入し、よく絡めます。

トロトロの甘酢餡に揚げたお肉たちを投入し、よく絡めます。つけあわせに茹でアスパラをそえたら、ちょっと大人っぽい本格中華メニューの出来上がりです。
中国ではむしろこちらのほうがメジャーなバージョン。野菜は別のメニューでとることが多いようです。


スライス肉ならではの魅力もスペシャル酢豚を味わう

和豚もちぶた「バラスライス」を使ったスペシャル酢豚が2種類できあがりました。

和豚もちぶた「バラスライス」を使ったスペシャル酢豚が2種類できあがりました。
今回はちょっと長めのスライス肉を丸めて使ったので、お肉のボリューム感が抜群!フォトジェニックな中華となりました♪

まずは、見た目にも高級中華料理店で出されるような一皿、「黒酢バージョン」を試食。一口食べたとたん、黒酢の深いコクと香りに圧倒されました。よく揚げたお肉にはサクサク感が残り、まろやかな酸味とバラ肉の旨味が口いっぱいに広がります。

白いご飯との相性もバッチリ。いくらでも食べられそうなメニューです。

白いご飯との相性もバッチリ。いくらでも食べられそうなメニューです。まさに「本格中華」を代表するような絶品酢豚を堪能できました。

食べなれているはずの酢豚の味ですが、先に黒酢バージョンを食べていたせいか、まったく別の味わいに感じてびっくり。

つづいては、おなじみの野菜入り酢豚を試食。
食べなれているはずの酢豚の味ですが、先に黒酢バージョンを食べていたせいか、まったく別の味わいに感じてびっくり。
米酢のまっすぐな酸味がすっきりと広がり、そのあとからごま油の香りもほんのりと立ってきます。お酢の種類でここまで風味がかわるのですね。
酸味と香りがシンプルなぶん、他の具材の味もよくわかるさっぱり酢豚。赤と黄色・緑の彩りが鮮やかで、小気味よい歯ごたえに食がすすみます。「五味五色」を地で行く中華の醍醐味を味わえる一品です。

軽く甘酢を絡めたうずらの卵・パイナップルと揚げたお肉を串に刺して飾れば、「ピンチョス風酢豚」もできあがり♪

さらに、先生おすすめのアレンジメニューをプラス。
軽く甘酢を絡めたうずらの卵・パイナップルと揚げたお肉を串に刺して飾れば、「ピンチョス風酢豚」もできあがり♪
ちいさなモアイ像よろしく並んでいる姿もかわいい、オードブルにも喜ばれそうな一品です。

スライス肉を使った酢豚で何よりうれしいのは、揚げすぎて固くなったり、中まで火が通らない、などのリスクがないところ。

スライス肉を使った酢豚で何よりうれしいのは、揚げすぎて固くなったり、中まで火が通らない、などのリスクがないところ。
さらにお肉の中までちゃんと味がついていて、全体は柔らかいのにちゃんとサクサク感が感じられるのは、むしろスライス肉ならではの魅力かもしれません。

ちなみに今回はバラスライスを使いましたが、豚コマ肉で作るのもおすすめとのこと。

ちなみに今回はバラスライスを使いましたが、豚コマ肉で作るのもおすすめとのこと。
豚コマ肉は複数の部位がミックスされていることが多いので、様々なお肉の旨味・食感が味わえそうです。
こちらもぜひお試しくださいね♪


分量のおさらい

具材

  • 豚バラ薄切り・・・250g
  • 干ししいたけ・・・ 4~5枚 (生しいたけでも可)
  • たまねぎ・・・ 1/2コ(100~120g)
  • ピーマンまたはパプリカ・・・ 3コ
  • にんじん・・・ 1/2本(100g)

下味用調味料

  • しょうが (すりおろす)・・・小さじ1
  • にんにく (すりおろす)・・・小さじ1/2
  • しょうゆ・・・小さじ2
  • 紹興酒・・・小さじ1
  • 砂糖・・・小さじ1
  • ごま油・・・小さじ1
  • 塩・・・少々
  • こしょう・・・ 少々
  • 片栗粉・・・大さじ2

甘酢餡用調味料

  • 酢・・・カップ1/2
  • 水・・・ カップ3/4
  • 砂糖・・・ 大さじ4
  • しょうゆ・・・ 大さじ1
  • トマトケチャップ・・・ 大さじ2
  • 紹興酒・・・ 大さじ1
  • 塩 ・・・少々
  • ※水溶きかたくり粉
  • かたくり粉 大さじ1
  • 水 大さじ1
新規開店・看板メニュー開発・イベント食材・業務用食材など、豚肉の仕入れにお困りの仕入れご担当者様、ぜひお気軽にご相談ください。ご要望に応じて豚肉のプロが最適な部位等をご提案!こだわり抜いた確かな品質の豚肉をご用意いたします。