和豚もちぶた 黄金のレシピ ヨーロッパの家庭料理 赤ワイン煮 & グヤーシュ

TOP 黄金のレシピ 赤ワイン煮 & グヤーシュ
黄金のレシピ 赤ワイン煮 & グヤーシュ

この冬いちばんの寒気団が到来した1月某日、「黄金のレシピ」取材のため臼居芳美先生宅を訪れました。

少し前までヨーロッパを訪れていた先生、帰国早々のお忙しいところ「和豚もちぶたヒレ肉の赤ワイン煮」というゴージャスなメニューを準備してくれています。

今回は「和豚もちぶたヒレ肉の赤ワイン煮」をご紹介。加えて、中央ヨーロッパの家庭料理「グヤーシュ」というメニューも紹介していただくことに。

ヨーロッパは「寒かった~!」というお土産話を伺いながら、さっそく取材開始!

今回は「和豚もちぶたヒレ肉の赤ワイン煮」をご紹介。加えて、中央ヨーロッパの家庭料理「グヤーシュ」というメニューも紹介していただくことに。どちらも赤ワインと炒めた玉ねぎを使う煮込み料理です。

目次


和豚もちぶたの赤ワイン煮 かんたんレシピでゴージャスな逸品

ずらりと並んだ「赤ワイン煮」の材料。でもそんなに特別なものは使いません。

まずは「赤ワイン煮」を作っていきましょう。

ずらりと並んだ「赤ワイン煮」の材料。でもそんなに特別なものは使いません。下ごしらえもないので、イメージよりもずっと簡単なのです。

玉ねぎは半分に切り、2~3ミリくらいの薄めにスライスしていきます。

玉ねぎは半分に切り、2~3ミリくらいの薄めにスライスしていきます。
ニンニクは半分に切り、つぶします。緑の芽があったら苦みが出てしまうので取り除いておきましょう。

ヒレ肉は1.5~2cm程度のすこし厚めに切り分け、軽く塩コショウをします。

ヒレ肉は1.5~2cm程度のすこし厚めに切り分け、軽く塩コショウをします。まな板にこぼれた塩コショウは、お肉を裏返すときにつけていくと無駄にならずに済みますよ♪

茶こしをつかって小麦粉を薄くふりかけておきます。

茶こしをつかって小麦粉を薄くふりかけておきます。この小麦粉が香ばしく焼け、適度なとろみにもなっていくのです。

バターはオリーブオイルと一緒に熱していきます。

バターはオリーブオイルと一緒に熱していきます。

フライパン・鍋を熱してから油やバターを入れることもあるかと思いますが、バターを入れてから熱していくほうが焦げつく心配がありません。料理の種類にもよりますが、溶かしバターにするつもりでゆっくりと熱していくと、デリケートな香りを大切に仕上げられますよ♪

バターが溶けて温まってきたらつぶしたニンニク、玉ねぎを入れます。

ここですぐかき混ぜたり返したりはせず、まずはそのままに。これ、けっこう大切なポイントです。

玉ねぎに少し焼き目がついてきたらかき混ぜてほんのり色がついてきたら、いい頃合いです。

玉ねぎに少し焼き目がついてきたらかき混ぜてほんのり色がついてきたら、いい頃合いです。

こでフライパンの玉ねぎとニンニクを片側に寄せ、お肉を投入。

ここでフライパンの玉ねぎとニンニクを片側に寄せ、お肉を投入。香ばしい風味をうつしながらお肉に焼き目をつけていきます。もしフライパンの油が少なくて心配な場合は、オリーブオイルを少し足してみてください。

ここでもすぐに返したり動かしたりせず、フライパンにおまかせするのが美味しく仕上げるコツ。

とはいっても焦げてしまうと大変なので、中火より少し強いくらいの火加減でじっくり様子を見ましょう。

お肉に色がついてきたら裏返します。赤ワインと固形スープ1個・プラム適量を加えます。

お肉に色がついてきたら裏返します。

赤ワインと固形スープ1個・プラム適量を加えます。この料理のゴージャスさの基本となる赤ワインは、けっこうたっぷり使いますよ^^

プラムはあらかじめ水につけて柔らかくし、口当たりよくしたものを使いますが、もちろんドライフルーツのままでもOK。ここで、炒めたニンニクは取り出しておきます。

煮込み始めて少したったらお肉のアクを取っていきます。

煮込み始めて少したったらお肉のアクを取っていきます。アクを取るときは、そのつどおタマを水にくぐらせるとキレイに取り除けます。
とはいえ先生曰く「アクは旨みと背中合わせ」。あまり神経質になりすぎると、おいしい脂まで取り除いてしまうので注意しましょう。

しゃぶしゃぶなどでもほとんどアクの出ない和豚もちぶたは、こんな場合もあまり気を使わずに済むのはうれしいところ。

アク取りが終わったら、ここから15分煮込んでいきます。
ちなみに煮込みの時間とは「沸騰してから」の時間。沸騰するまでの時間は除いてカウントするようにしましょう。

必殺の「隠し味」!ほんのちょっとお砂糖を加えると渋みが抑えられます。

最後に味見をしてみて、赤ワインの渋みが気になるようなら、必殺の「隠し味」!ほんのちょっとお砂糖を加えると渋みが抑えられます。隠し味なので、入れすぎないように注意してくださいね。

ということで、「和豚もちぶたヒレ肉の赤ワイン煮」が煮あがりました。

半分は生クリームをまぜてまろやかにし、ストロガノフのような雰囲気に。

半分は生クリームをまぜてまろやかにし、ストロガノフのような雰囲気に。2バージョンの「赤ワイン煮」のできあがりです。

今回付け合せにするのは平打ちのパスタ「フィットチーネ」。 ゆで上げたらオリーブオイルをまぶしておきます。


スロバキアの家庭料理「グヤーシュ」 中央ヨーロッパの食文化を味覚で体感

つづいては、スロバキア料理の「グヤーシュ」。パプリカを使ってお肉と野菜を煮込んでいく料理です。

つづいては、スロバキア料理の「グヤーシュ」。パプリカを使ってお肉と野菜を煮込んでいく料理です。

オーストリア料理・チェコ料理・スロバキア料理などでそれぞれご当地メニューが存在しているそうです。スロバキアでは豚肉と牛肉を一緒に入れて煮込むことも多いとか。日本ではちょっと不思議な感じもしますが、考えてみるとハンバーグはよく合挽きを使いますね。あえて違うお肉をいれると両方の旨味がでて美味しいのだそうです。

今回はアレンジバージョンとして「和豚もちぶたのヒレ肉」を使って煮込んでいきます。
いろいろな部位を使って試してみるのもいいですね♪

薄切りにした玉ねぎとつぶしたニンニクをバター・オリーブオイルで炒めるのは「赤ワイン煮」と同様。

薄切りにした玉ねぎとつぶしたニンニクをバター・オリーブオイルで炒めるのは「赤ワイン煮」と同様。

玉ねぎのいい香りが出てきたところに1~1.5cm程度に切り分けたヒレ肉を投入。あとから味を調えるので、ここでは塩コショウは無しです。

お肉はやはりすぐに動かしたりせず、まずはそのまま焼きます。火加減はすこし強めの中火。

お肉の表面に色がついてきたら、パプリカパウダーを投入。他にも「マジョラム」などの乾燥ハーブを入れていきます。

お肉の表面に色がついてきたら、パプリカパウダーを投入。他にも「マジョラム」などの乾燥ハーブを入れていきます。今回はクミンシードも少量。

すべてをからめるようにかき混ぜていくと、素晴らしくいい香りが立ってきます♪

すべてをからめるようにかき混ぜていくと、素晴らしくいい香りが立ってきます♪

そして赤ワインとトマトピューレを投入して煮込みます。

そして赤ワインとトマトピューレを投入して煮込みます。

煮立つまでの間、あとから投入するピーマン・パプリカ、にんじん・じゃがいもを切っていきます。

煮立つまでの間、あとから投入するピーマン・パプリカ、にんじん・じゃがいもを切っていきます。にんじんはピーラーで皮をむいたら小さめの乱切りに。ピーマン・パプリカも食べやすい大きさに切って投入。
蓋をしたら弱火にして20分くらい煮込んでいきます。

あとから投入するじゃがいもは、皮をむいたら1cmくらいの輪切りにしておきます。

あとから投入するじゃがいもは、皮をむいたら1cmくらいの輪切りにしておきます。
煮くずれると余計なとろみがついてしまうので、最後の5分間くらいになったら投入しましょう。じゃがいもの大きさによって多少加減してみて下さいね。

作りながら、話題は先生が訪れたヨーロッパ、とくにスロバキアの食事情に。
もともとはひとつの国だった隣国のチェコとは、言葉もほとんど同じ。関西弁・関東弁くらいでしょうか?

でも食文化は地方によって特徴が分かれるようです。

スロバキアの人々の食事は家で作る場合が多いのだそう。外食はわりと少ないようです。

「手作り」が基本、っていいですね^^

「グヤーシュ」ができあがり、2種類のヒレ肉料理が完成しました。

楽しいお話を聞いているうちに「グヤーシュ」ができあがり、2種類のヒレ肉料理が完成しました。いよいよ盛り付けと試食へ!!


「赤ワイン煮」と「グヤーシュ」を味わう

白いお皿の真ん中に、絶妙な分量で盛り付けられたお料理は、とても食欲をそそります。

先生の盛り付けはいつもどこか芸術的。
どこが違うのかよく考えたら「お皿の余白」がひとつのポイントであることに気が付きました。

白いお皿の真ん中に、絶妙な分量で盛り付けられたお料理は、とても食欲をそそります。

もちろんたっぷり盛り付けて美味しそうな場合もあります。お料理の魅力をそれにふさわしいビジュアルで表現するところも「腕」のひとつなのですね。

ふんわりと絶妙にまとめられたフィットチーネは、立体的でとてもいい雰囲気!

盛り付けをしている最中、付け合せのフィットチーネをトングでつかんだ先生。そのままくるくると丸めてお皿に盛り付け。あまりにさりげなさすぎて、うっかり見過ごしてしまったスタッフは、慌ててアンコールをお願いしました(笑)

ふんわりと絶妙にまとめられたフィットチーネは、立体的でとてもいい雰囲気!こんな細かい気遣いも、お料理をおいしく魅せるコツなのですね♪

ヒレ肉は脂身が少ないぶん煮込むと固くなりがちなのですが、ナイフを入れてもまったく固さは感じません。

お皿に盛り付けられた「ヒレ肉の赤ワイン煮」は、まるでホテルでいただくディナーのメインディッシュさながら。

ヒレ肉は脂身が少ないぶん煮込むと固くなりがちなのですが、ナイフを入れてもまったく固さは感じません。
一口食べると、赤ワインの華やかな香りとともに、和豚もちぶたの旨味が口の中に広がります。
とろとろに煮込んだプラムの甘味も絡まって、見た目どおりのゴージャスな風味を楽しめる一品。

生クリームを混ぜたほうはさらに深いコクが加わり、リッチな味わいが楽しめます。

生クリームを混ぜたほうはさらに深いコクが加わり、リッチな味わいが楽しめます。

「グヤーシュ」には、サワークリームをトッピング。

「グヤーシュ」には、サワークリームをトッピング。先生お手製の香ばしいパンでいただきます。

スロバキアでは「クネドリーキ」と呼ばれる、ジャガイモのニョッキを大きくしたようなメニューを付け合せることが多いそうです。

サワークリームが、グヤーシュの暖かさでフワっと溶けかかるところを堪能!

柔らかく煮あがったヒレ肉は、コクがあるのにすっきりとした味わい。

こちらも柔らかく煮あがったヒレ肉は、コクがあるのにすっきりとした味わい。ワインとパプリカ・マジョラムやクミンの香りがふわ~っと口の中に広がります。
はじめて食べる料理なのに、どこかほっとする家庭の味。サラダなどの生野菜を食べることの少ない中央ヨーロッパの人々は、たっぷりの野菜も一緒に煮込んで味わうのだそうです。

じつは今回の取材のあと先生は、
銀座の某百貨店で開催される大きな食のイベントが控えていました。

とちおとめやスカイベリーを中心に「とちぎの味」を
都内の方々に味わってもらおうという県協賛の催しの中で、
旬のいちごの活用術・アレンジなどをご紹介する講師として招かれているのでした。

人が生きる基本「食」は全世界共通の言葉。こうしてさまざまな人の努力で世界を巡っていくのだなぁ、という感慨を覚えた今回の取材でした。

先生を中心として遠く中央ヨーロッパと日本の食文化が出会い、銀座の街ではたくさんの人々が「とちぎの食」を味わい・・
人が生きる基本「食」は全世界共通の言葉。こうしてさまざまな人の努力で世界を巡っていくのだなぁ、という感慨を覚えた今回の取材でした。


分量のおさらい

ヒレ肉の赤ワイン煮(4人分)

  • 和豚もちぶたヒレ肉・・・250~300g
  • 玉ねぎ・・・・中2個(大なら1個)
  • ニンニク・・1かけ
  • 赤ワイン・・・400cc(または赤ワイン・水を同量200ccずつ)
  • プラム・・・・8個(レーズンなら大さじ2)
  • 塩・コショウ・・・適量
  • 固形スープの素・・・1個
  • オリーブオイル・・・大さじ2
  • バター・・・・20g
  • 生クリーム・・適量

グヤーシュ(4人分)

  • 和豚もちぶたヒレ肉・・・250~300g
  • 人参・・・・・2本
  • 玉ねぎ・・・・中2個(大なら1個)
  • ニンニク・・・1かけ
  • 赤パプリカ・・1個
  • ピーマン・・・2個
  • バター・・・・大さじ2(またはオリーブオイル)
  • 固形スープの素・・・1個
  • 赤ワイン・・・400cc(または赤ワイン・水を同量200ccずつ)
  • トマトピューレ・・・大さじ4
  • グラーシュパウダー・・・大さじ3(またはパプリカパウダー)
  • サワークリーム・・・適量
新規開店・看板メニュー開発・イベント食材・業務用食材など、豚肉の仕入れにお困りの仕入れご担当者様、ぜひお気軽にご相談ください。ご要望に応じて豚肉のプロが最適な部位等をご提案!こだわり抜いた確かな品質の豚肉をご用意いたします。