和豚もちぶた グルメリポート
クリスマスムードも盛り上がってまいりました、12月初旬。
記者Oさんから指令が来ました。
「クリスマスにふさわしく、今月の取材はおしゃれなビストロです」
「喜ぶところなんでしょうが、おしゃれなお店に行けるような服なんかありません~」
「・・・記者Tの取材ではありませんから、問題ありません」
和豚もちぶたグルメリポート、記念すべき第10回は、ビストロ プラン デ プラさんからお届けします。
宝積寺バイパスを宇都宮から高根沢方面へ。
ご一緒してくださった男性記者さんが、ちょっとおしゃれな格好でいらっしゃったので、記者Tちょっと怯んでます。
「なんかかわいい屋根が見えますよ。あれですか」
足利銀行宝積寺支店高根沢出張所の角を北へ入ると、赤い屋根のかわいらしいお店を発見。
単純にも気持ちが浮上してきます。
住宅地の中にひっそりと建つお店ですが、次から次へと駐車場から車が出てきます。
ちょうどランチタイムが終わる頃で、お客様がお帰りになるところのようでした。
「お邪魔しま~す」
外観もかわいいですが、内装もかわいい! レジの前の小さなテーブルに載った編みぐるみのマスコットは、実は中にコケが入った苔玉。 小さい観葉植物を植えて楽しむそうです。
高い天井や木の梁は、力強いイメージになりがちですが、しっくいの白い壁と、木の腰壁の効果か、温かさや親近感を感じます。
「素敵なお店ですね。お客様は女性が多いですか?」
「9割くらい女性ですね。
どちらかというと、ディナーよりランチのお客様が多いです」
◆ ◆ ◆ ◆
「常連さんが多いですか?」
「そんなこともないですね。他の市からいらっしゃる方や、
遠出してる先からわざわざ『ランチには寄るから』と電話していらっしゃる方とか、
いろいろなお客様がいらっしゃいます」
「最初から女性向けのお店にしようと思っていらっしゃったんですか?」
「いや、僕がしっくいが好きなので、そこだけリクエストしましたが、
いつの間にかこんな感じになってました」
「女性スタッフさんの意見を入れたとか」
「いいえ・・・」
・・・あまり意図せずにこんな素敵な内装に!
これはやはりセンスか・・・・
と、自室の模様替えすら失敗した記者Tは、悩みの迷宮に入りそうになりました。
◆ ◆ ◆ ◆
「以前はお好み焼屋さんだったそうですね」
「あ、前のお好み焼き屋は、ぼくじゃないんです。ここは居抜きで。 内装はかなり変えましたね」
もと座敷だったというテーブル席は、ロールスクリーンで他のホールと仕切ることもできます。
「少人数で個室にもできますし、店全体では30席ほどになります。立食ならもっと入りますから、少人数から大勢まで使っていただけます。貸切でお使いになるお客さまもいらっしゃいますよ」
クリスマス目前、たまにはすてきなお店で食事がしたいという方も増える季節。 ツリーの横に、手書きのランチメニューが出ています。
「このお店を始められる前は、他のお店にいらしたんですか?」
「宇都宮のアルページュさんにいたこともありますよ。和食のお店にいたこともありますし、いろいろやってましたね」
◆ ◆ ◆ ◆
「和豚もちぶたとの出会いを教えてください」
「ぼくは益子の出身なんですが、父の友人が和豚もちぶたの生産者だったんですよ。
『しゃぶしゃぶうまいぞ~』って食べさせてもらったら、
身が締まってるし、脂はおいしいし、臭いもないし、もう他の豚は食べられなくなりましたね。
うちの店で出す豚は全部和豚もちぶたです」
「これまで出された和豚もちぶたのメニューを教えてください」
「バラ肉で作ったリエットというペーストのようなものとか、
豚しゃぶのサラダとか、あとは自家製ベーコンを作ったりもしましたね」
「女性客が多いということでしたが、和豚もちぶたの評判はいかがですか?」
「とてもいいです。やはり、臭みがない、脂が甘くてしつこくないというのは、皆さんおっしゃいます。
脂身が苦手とおっしゃるお客様に『試しに召し上がってみてください』とおすすめすることもあるんですが、
『これなら食べられる』と言ってくださる方が多くて驚きます」
女性にも人気の和豚もちぶた。店長はさらに驚きのエピソードを披露してくださいました。
「大きな和豚もちぶたの塊を骨つきで買って、
牛でいうところのTボーンステーキを和豚もちぶたで作って出したことがあるんですよ。
2~3cmくらいに厚く切ってね。けっこうな量ですよ。
でも、女性のお客様、皆さんぺろっと召し上がってました。
胃に重くないから、いくらでも食べられるって」
「すごいですね」
「うちは確かに女性客が多いんですが、特に女性に受けそうなメニューを狙って作ったことはないんです。
ちまちまといろいろな料理を少しずつ盛るというよりは、メインの1品をドンと出すタイプなんですよ。
でも皆さん、残さずに召し上がりますからね」
和豚もちぶたの質の高さが、ボリュームを感じさせないということですね。
「せっかくですから『和豚もちぶたのチーズ焼き』お出ししますね」
◆ ◆ ◆ ◆
ランチメニューの一番人気! 運ばれてきましたよ~。
「一度炊いて、オリーブオイルで焼いた大根を敷いて、その上にソテーした和豚もちぶたを載せ、トマトとチーズを載せました」
「どこのお肉ですか?」
「ロースです」
「野菜がたくさん入ってますね。ブロッコリーとマイタケと」
「サトイモです。うちは、野菜はほとんど高根沢や芳賀のものを使ってます。和豚もちぶたは主張が強くないので、何と合わせても味がけんかしないんですよ。あと、身が締まっているので、焼いてもパサパサしません。召し上がってみてください」
まずは切り分けるところから。 和豚もちぶたは厚みがありますが、すっとナイフが入りました。
「いただきます!」
味がけんかしないというのは本当でした。一口目で、和風と洋風がうまく混ざり合っているのがわかります。
さらに絶妙なとろけ具合のチーズ。薄切りのトマトの酸味。 それが全部、和豚もちぶたの肉の味と絡んで、引き立て合っています。
「大根と合いますね~」
「うちでは、大根のおいしい時期にはよく使いますよ」
おいしい和豚もちぶたと、地元産の新鮮な野菜で幸せいっぱいです。
オニオンスープも、よく炒めた玉ねぎの甘さに酸味がなく、それでいて噛むとしゃきしゃきして、味付けもあっさりしています。 ボリュームのある肉料理との相性は、これもまた二重丸です。
◆ ◆ ◆ ◆
「これからクリスマスシーズンですが、特別なメニューは考えていらっしゃいますか?」
(取材日 2014/12/4)
「12月23、24、25日の限定でX'masディナーメニューをお出しします。
そのなかで和豚もちぶたの“ブレゼ”も出す予定です。
和豚もちぶたを香味野菜やりんごと蒸し煮にしたメニューです」
「ディナーの予約はまだ可能ですか?」
「大丈夫ですよ。
うちは直近で予約されるお客様が多いので、まだ余裕があります」
女性を肉食系にする、和豚もちぶたの魔性の魅力。聖なる夜にも遺憾なく発揮されることでしょう。